Column

-豆知識系コラム-

袴選びの成功の秘訣

2023.09.04

「卒業式には袴を着てみたい」と思っていても、実際に選ぶとなるとどこから何を決めていけば良いのか分からない方もたくさんいることでしょう。

卒業式の袴選びにはコツがあり、ポイントを押さえて見ていくことで納得のいく袴が見つけられます。ここでは卒業式の袴選びのコツや選ぶ際のポイントを紹介していきます!

1.卒業式の袴選びの際には、まず着物から選ぶのがポイント!

好きな色・柄から選ぶ


赤やピンク、黄色系のカラーからポップな柄や古典柄、流行の柄まで好みに合わせて自由にチョイスできます。

色のイメージから選ぶ


着物は色のイメージに注意すると上手にチョイスできます。たとえば赤は豪華でエネルギッシュなイメージ、青はさわやかなイメージ、黄色は元気で華やかなイメージを演出できます。

写真映えする柄で選ぶ


派手な柄・色を選ぶと顔まわりの印象が明るくなり、写真映えするのでおすすめです。また、自分の肌の色などに合わせて映える色を選択すると良いでしょう。

2.柄の種類とそれぞれの意味について

柄の種類


【 矢絣柄 】

大正ロマン風スタイルの代表ともいえる矢絣柄。大正時代の女学生を描いた漫画「はいからさんが通る」の主人公が着ていた袴の柄が、まさに矢絣柄です。

矢絣柄とは、矢羽根柄の中のひとつで、弓矢の矢羽根を交互に並べた柄を指し、様々なパターンがあります。その中でも、絣技法を使って織ったものを矢絣柄と呼びます。矢羽根柄と比べて羽根の輪郭部分がかすれているのが特徴です。

矢絣柄の矢の柄には、「戻らない」という意味が込められています。矢は、一度射ると戻って来ることはありません。そこから、「娘が嫁ぎ先から出戻って来ないように」という想いを込めて、昔は結婚の時に矢絣柄の着物を持たせていました。

現代では卒業式で着用することが多い矢絣柄スタイルですが、大正時代から女学生といえば矢絣柄と言われるほど定番のスタイルです。その柄の意味と女学生のイメージから、矢絣柄は「若い女性」が着用することが多いです。

【 椿柄 】

椿の柄には、「謙虚さ」「しとやかさ」などの意味があります。ころんとした丸い花の形と小さな緑の葉が、愛らしい印象を与えます。

椿の花は、花がぽとりと落ちる姿を見て「縁起が悪い」と勘違いされることもあります。しかし実際は、平安時代から貴族たちに愛される「高貴な花」と言われていました。厄除けの意味もあり、新しい門出を祝うにはぴったりの柄です。

椿柄は大柄に描かれることが多く、高身長の方は特に似合います。着物の色は赤と白で、袴にパステルカラーの青やオレンジを組み合わせると、レトロモダンな印象を与えます。

【 桜柄 】

平安時代、貴族の間で特に愛された桜柄は、日本を代表する着物柄のひとつです。桜柄には季節の始まりにちなんで、「縁起の良いことが始まる」「新生活のスタート」といった意味が込められています。

桜柄の特徴は、満開に咲く桜の様子や、桜吹雪に散る花びら、枝垂れ桜の揺れる様子などが描かれることが多いです。小さな花を全体に散りばめたようなデザインが多いので、低身長の方にもおすすめです。赤やピンクの着物に、あずき色や紺色の袴と合わせるのが袴スタイルの王道パターン。知的でフレッシュな装いになります。

【 梅柄 】

梅の花には、「忍耐力」や「美」の意味があります。寒い冬を耐え忍んで花を咲かせる様子は、日本の女性の強さを象徴しています。

梅柄の特徴は、丸い花びらが単調に描かれていて、モダンな印象を与えます。色も、赤・白・ピンクとはっきりした色を使うことが多く、濃い色の袴と組み合わせると大正ロマン風のレトロな印象に仕上がります。

【 菊柄 】

菊の柄には「長寿」や「邪気払い」の意味があります。日本では、菊は昔から格の高い柄とされていました。そのため新しい門出のお祝いにピッタリの柄です。

大きな菊の丸い形に、いくつも重なる花びらが華やかで上品な印象を与えます。赤白の大きな菊の花柄に、白の袴を合わせるとモダンな雰囲気になります。

【 桃の花柄 】

桃の花には、「邪気を払う」「幸運」といった意味が込められています。女性の柔らかい雰囲気を引き出す可愛らしい柄です。

桃の柄はピンクを基調にしていることが多く、全体的にパステルカラーでまとめると柔らかい春のような印象になります。逆に袴の色をからし色のような濃い色にすると、レトロモダンな印象になります。

【 牡丹柄 】

牡丹の花柄には、「壮麗」「美」「高貴さ」といった意味があります。「立てば芍薬、座れば牡丹」という言葉があるように、女性の「美」を象徴する花でもあります。

牡丹の柄は、大きめに描かれているものもあれば、小さく添えられるようなデザインになっているものもあります。大きめの牡丹の柄は、全体を赤と黒でコーディネートするとモダンで大人っぽい印象を与えます。

【 橘柄 】

橘柄は、長寿を意味する縁起の良い柄です。葉とセットで描かれることが多いのも特徴のひとつです。

オレンジや朱色の橘柄に、深緑や赤といった濃い色の袴と合わせると、フレッシュで若々しく元気な印象になります。

【 松の文様 】

松は「吉祥樹」といわれ、「長寿」や「縁起物」という意味があります。渋いイメージが強い松の文様ですが、若い華やかな女性向けの松もあります。

梅や桜と一緒に描かれているため、ポップで可愛らしいものが多いです。赤や黒の松の文様に、オレンジの差し色の袴を合わせることで、古風な柄もモダンな印象に仕上がります。

【 鶴の文様 】

吉祥文様の一つである鶴は「長寿」の意味があります。鶴が飛躍する姿は、卒業式のような新しい門出にピッタリの柄でもありますし、何より着物柄の中でも特に豪華です。

梅や桜の花と一緒に描かれることが多く、朱色に深緑の袴のコーディネートは卒業式の王道コーディネートです。鶴の柄はレトロで可愛い、まさに大正ロマンの代表ともいえます。

【 雲の文様 】

雲は、古来より神の住処と言われている縁起の良い文様です。雲の文様にはいくつか種類があり、特に成人式などで使われる柄は雲取文や瑞雲と呼ばれる柄です。

ふわふわとした文様は、女性らしい柔らかい印象を与えます。雲の文様は単体よりも、桜や菊、椿とセットで描かれることが多いです。赤黒の絞りに黒や紺の袴をあわせると、古典的で豪華な印象に仕上がります。

【 短冊の文様 】

吉祥文様のひとつで日本独自の文様です。短冊の文様にある「短冊」とは、俳句を読む時に使用する細長い厚紙のことです。「学問や仕事の成就」といった意味があり、卒業式や入学式にぴったりの柄です。

短冊のような古典柄に絞りは定番で、非常に豪華です。紅白の着物にえんじ色の袴を合わせると、華やかで知的な印象になります。

【 青海波の文様 】

海の波がいくつも重なって続いていくような文様で、「変わらぬ幸せや平穏」という意味があります。穏やかな門出を祈る場面にぴったりの柄です。

波がゆったりと重なる爽やかな柄なので、青を基調としたコーディネートにすると全体的にまとまって知的な印象になります。

【 鱗文様 】

三角形を上下に重ねて敷き詰めるように組み合わせた柄を、鱗文様といいます。世界的に見る柄ですが、日本では蛇の鱗のように見えるため「魔除け」や「厄払い」といった意味があります。

幾何学的な文様は、レトロモダンな装いを目指す方にピッタリの柄です。鱗文様のみで少し淋しく感じる場合は、袴に桜や菊などの花柄を合わせるとモダンで華やかな印象になります。

【 亀甲文様 】

亀の甲羅が由来となった亀甲文様は、正六角形が連なる有職文様です。細かいものもあれば大柄のものもあり、大きさによって印象が変わります。

亀甲文様は、菊の花など縁起の良い柄と一緒に描かれているデザインが多く、現代的で豪華な印象です。落ち着いた雰囲気にしたい場合は、黒白の2色で統一するとモダンな印象になります。

【 市松文様 】

色違いの正方形が並ぶ模様を市松模様といいます。終わりなく柄が並ぶ様から、「繁栄や永遠」を意味しています。

市松模様は、矢絣と同じくレトロコーデの代表柄です。大きめの市松模様に花柄の袴を合わせると華やかな印象に、細かい市松模様に紫や紺の袴を合わせると大人っぽくモダンな印象になります。

【 金銀加工 】

金糸や銀糸を使って文様や柄を刺繍することを金銀加工といい、着物がキラキラと輝くので、ワンランク上の豪華さがあります。

また、染の着物に金箔などを使って装飾することを金彩加工といいます。金銀加工はゴージャスでありながら上品さも失わないため、まるで美術品のように美しいと言われています。

柄の持つ意味合い


卒業式の袴に合わせる柄は、華やかさだけでなく縁起の良さも兼ね備えた柄がよく選ばれています。個性的で可愛いコーディネートを目指す一方で、着物の柄に込められた意味を知ることでより一層感慨深い日となるでしょう。

❑ 自分の肌の色、髪色に合わせて選ぶ

肌の色によっても似合う袴の色は変わってきます。色白の方は様々な色の袴が似合います。例えば、濃い色の袴を選ぶと大人っぽい印象になります。イエローベースの肌の方は、澄んだコーラスピンクやオレンジや黄色、青といった色の袴が似合います。ブルーベースの肌の方は、青や紫などが入った明るい色の袴が似合います。

健康的な橙(だいだい)色の肌の方は、明るい黄色やオレンジ、白といった色の袴が良く似合います。健康的な小麦肌の方は、白や明るくビビットな黄色やオレンジなどのカラーがよく合います。ただしパステルカラーは肌の色味が落ちてくすんで見えるため注意しましょう。

肌の色に加え、髪の色にも合った袴を選ぶと良いでしょう。髪色が明るい方は、紫や紺色の袴を着て大人っぽさを演出したり、淡い色の袴を着て可憐さを演出するのがおすすめです。髪色が暗い方は、白やピンクなどの明るい色の袴がおすすめです。暗めの袴を着てしまうと、どうしても重い印象になってしまいます。それでも暗めの袴を着たい場合は、柄が派手なものを選ぶのをおすすめします。

❑ 予算で選ぶ

卒業式の着物を選ぶ際には、予算を考えることも大切です。着物そのものの費用だけでなく着付けやメイク、写真撮影などトータルの費用もチェックしましょう。

3.着物を決めたら次に袴を選ぶ

着物との配色バランスで決める


袴をチョイスする際には、着物との配色イメージで決めましょう。たとえば、水色の着物とピンク系の袴でまとめると可愛らしいイメージにまとまります。

柄のバランスで決める


着物との配色だけでなく、柄のバランスも重要です。着物が大柄なら袴は主張し過ぎない単色の袴、小柄であればぼかし袴などを組み合わせると綺麗にまとめ上げられます。

また、着物の柄のカラーを一色袴にも取り入れると一体感が出るでしょう。

色で組み合わせる


着物と袴は、色のコーディネートがとても大切です。コーディネートの基本は同系色でまとめるか、反対色でまとめるかの2択です。

同系色であれば水色の着物に紺色の袴や、オレンジの着物に赤の袴などが挙げられます。同系色はまとまりが良く、落ち着いたイメージを与えられるでしょう。

逆に反対色であれば、黄色の着物に紫の袴やオレンジの着物に青の袴などの例が挙げられます。反対色は補色とも言われ、大胆な印象を与えられ、目立つ存在になれるでしょう。

❑ 同系色で合わせる

全体的にすっきりとまとまり、上品なイメージになります。色合わせに困ったら、まずは振袖の中の色と合わせてコーデしてみましょう。

反対色を使ってコーデすると、お互いの色を目立たせる効果があり、明るく活発な印象になります。

❑ トーンをそろえる

色のトーンをそろえるコーデは、自分のなりたいイメージが演出できます。淡い色、明るい色なら、やわらかく可愛らしい印象に。濃い色、ダークトーンなら落ち着いた大人っぽい雰囲気になります。

4.体系別袴の選び方

自分の背丈や体型を活かしたり、逆にカバーしてくれる袴を選ぶ方法。

背が低い方


背が低い方は、古典柄やパステルカラーなどの袴が似合います。小柄なことを活かして可愛らしくまとめてみてください。

背が高い方


背が高い方は、大きめの柄などハッキリとした柄が似合います。濃いカラーの袴など存在感がある袴を着こなしましょう。

ぽっちゃり型の方


ぽっちゃり型の方は、ストライプ等の柄が入った袴をチョイスしましょう。ぽっちゃり型の方は、濃いカラーの袴の方が、全体がスマートに見えます。

痩せ型の方


体型がやせ型である方は、絞り柄やぼかし染めの袴を大胆に着こなしましょう。ピンクなどの淡い色をチョイスすることで、女性らしい柔らかさが演出できます。

5.まとめ

卒業式の袴を選ぶ際にはまず着物を選び、次に袴を合わせていくと上手く選べるでしょう。卒業式の袴は着た際のイメージを確認するため、試着することも大切です。着物とはまた違った上下のコーディネートで、自分だけのオリジナルコーデ探しを楽しんでみてください♪

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア
  • LINEでシェア
  • フォロー

PROFILE

東京都東久留米市にある地域密着型写真館・広映堂スタジオです!このブログではお客様のお写真や新しい衣装や小物などを随時ご紹介しています!

  • Instagram
  • LINE

CATEGORIES

  • カテゴリーなし

ARCHIVES

TAG